夢は同じ









・・・・傍にキミがいる。

それがごく当たり前な生活・・・だったはずなのに。

目を開くと、そこにはキミの温もりすら残っていなかった。

否、俺自身がキミに触れることすら許されない存在になってしまったんだ。




自分の正義を求めて。大事な人をこの手で守るため。





-----------だから



力が欲しかった。それらを叶えるだけの力が。




・・・でも、その結果の後には何が残ったんだ?

・・・・・自分達の気持ちを殺してまで得るものって・・・?





「私もだ」

キラやラクス達と宇宙(そら)に上がる決意をした日。
そこで誰にも負けない位の強い光を瞳に宿して、キミは言った。
もう、決して涙など見せない。
そう語る瞳に俺は一瞬・・・・・目が離せなくなっていた。
あの頃にはなかった強さを、キミはもう手にしている。

・・・・・別れてからどれくらいの時が経ったんだろう?














コペルニクスに向けて出発する日の前日。
予定より早く作業を終えてみると、時間はまだ夜の10時前。
普通なら早めに休むところだろうが、俺はとてもそんな気になれなかった。

ようやく戻ってきたオーブ。
が、再び迎えた別れの時。
なら、せめて今の風景だけでも目に焼き付けようと、ブリッジに上がる。
が、そこには予想外の先客が来ていた。





海風に髪をなびかせながら、一人ただずむ少女。
気のせいだろうか、以前よりも更にほっそりとしている。
しかし父親に似て、その存在感は見る者を圧倒する程だ。
その視線の先には、母なる海が広がっている。

「ハウメア様・・・・どうぞ、ご加護を」


そっと目を閉じて、誰よりも平和を願う彼女はまさに女神そのものに見えた。
決して暖かくはない、夜の星空の下。
しかし彼女をこうして見ているだけで、心の中がじわりと温かくなっていく。



そこでやっと気が付いた。



キミは今も昔と変わらない姿だったということを。
広い心で人々を愛し、まっすぐ道を進む。
己の理念を信じ、時に悩み、時に悔やみながらも、国を想い続けてきた。
そんな温かい焔を心に宿したキミだからこそ、俺は護りたいって・・・そう思えたんだ。





そして今も、俺はキミを・・・



----------------カガリを護りたい。





同じ夢を見る一人として。





いつかまた、キミが俺の傍で笑ってくれるように。












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*管理人コメント*
・・・・・相変わらずぐるぐるぐーるぐる悩んでるハツカネズミがいます。
しかも最初はかなりのネガディブ思考!
でも、本編アスランは絶対ネガティブ思考な人だと思うんですよ。
じゃないと、あんなハゲになるはずがな(強制終了)
そんな思考を一喝するのが、これまではカガリの役目でしたが、その彼女はもう傍にはいない。
・・・・ってなったら、自分で這い上がるしかないですよね。
今回は、「アスラン、たまには(女の手を借りずに)自分だけで這い上がってみろ」がモットー(笑)
まだまだネガティブさは抜けないけど、やっぱり運命ではアスランも成長したと思います。

ちなみに、今回は横顔カガリを描きたくて描いたんですけど・・・・。
それよりもアスランの顔がヤバイ!(滝汗)
ってか、本当に不細工な子になりました。。
あぁ・・・・不憫でならない。。。(爆)