ヴァンパイア☆kiss
C.E.71。
ようやく向かえた戦争終結。
今までの生活とは信じられないくらい静かで、穏やかな日々を僕らはようやく手にした。
って言っても、あのヤキンの戦いからまだ少ししか経っていないから、油断も許せない状況なんだ。
まだまだ調整段階の両国の狭間で、僕達もまた今後の対応について調整していく必要があるし、決断しないといけない。
だから地球に行くかプラントに行くか・・・それもまだ分からないって訳。
とりあえず、クルーは皆それぞれの艦で待機することになっていたんだ。
僕もラクスやアスラン、カガリと一緒にとこの先のことを考えていたけど・・・今はまだ全然分からなくて。
ただみんなとこうして一緒にいられることが嬉しい、それだけだった。
・・・そう、このことがあるまでは。
アークエンジェルの展望室。
ここはいつも地球が真正面から見えるってことで、クルーの中でも人気のスポット。
僕はたまたま寄っただけだったんだけど、そこで可愛い金髪の女の子を発見したら・・・声を掛けずにはいられないよね。
「・・・カガリ、こっち来てたの?」
そう、そこにいたのは一国のお姫様で、僕の可愛い妹カガリ。
危なっかしくて乱暴で・・・それでいてとても真っ直ぐな彼女。
そんな彼女が僕の兄妹って聞いた時はさすがに驚いたけど・・・今じゃむしろ嬉しいくらい。
けど、そんなカガリの様子がおかしいのは見てすぐに分かった。
「・・・え?あ、キラ?!お、お前こそなんでここに?!」
「なんでって・・・ここはアークエンジェルだもん、僕がいつもいるのはこっちでしょ?」
「え?あ、そ、そうか!そうだったな!うん!」
・・・・怪しい。
この慌てふためく仕草、目を合わせないとこ。
それってつまり、カガリが僕に隠し事をしているってことだよね?
しかも、いつになく赤い顔・・・・。
よし、ここは1つ妹のために一肌脱ごっかな。
「カガリ、何かあったの?」
「へ?」
「さっきからキョロキョロしてるし、首の辺りまで真っ赤になってるし・・・」
「えぇっ?!そ、それは・・・!/////」
ボンっと、音まで立てて更に赤くなったカガリの顔。
そしてふいに浮かぶ僕の親友の顔。
この2つが頭の中で重なった時、ここでようやく1本の線に繋がった。
「カガリ・・・・アスランと何かあった・・・・?」
「ち、違う!違うんだ、キラ!この首は・・・・!///////」
「首?首がどうし・・・・・・あっ!」
見ると、カガリの首にうすくついた赤い"点"が、いくつかあった。
はっはーん・・・どうりでカガリが"首の辺りまで真っ赤"って言葉に反応した訳だ。
しかもよくみたらまぁ・・・・あちこちとね。
すると、僕の視線に気付いたのか、カガリがまた慌てた口調で訴えてきた。
「違うんだってば、キラ!こ、これは・・・・・ヴァンパイアの仕業だ!//////」
「・・・・へ?」
「あれだよ!妖怪のヴァンパイア!///////お前も知ってるだろ?首から血を吸うやつ!///////」
「じゃあカガリはそのヴァンパイアに襲われた・・・ってことなの?」
「そ、そうだ!だから私はそれを探しにこっちに来てて・・・・/////」
そう言って、ついにうるうると目を潤ませるカガリ。
・・・こんな顔されたら、お兄ちゃん敵うはずもありません。
よしよし、分かった分かった。
それなら僕にカガリに出来ることは一つしかないじゃないか。
「分かったよ、カガリ。」
「え?じゃあ・・・」
「だから僕が今から、"ヴァンパイア退治"に行ってくるから、カガリはもうクサナギに戻ってて」
「あ、でも・・・・!」
「ほら、早くいかないとまた血を吸われちゃうよ?だから、ね?」
「・・・・・・・う、うん。」
不思議そうな顔をして通路に戻るカガリを笑顔で見送ると、僕はさっそく行動を開始した。
やっぱりカガリに彼の血を見せる訳にはいかないしねー。
あ、もちろんこれから行く先は、カガリを襲った不届き者の"ヴァンパイア"がいる部屋。
・・・・・嫌でも2、3日はベッドにいないといけないくらいに、ボッコボコにしてあげるから・・・・。
待っててよ?ヴァンパイアさん♪
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*管理人コメント*
純粋なアスカガ描きたかったのに・・・。
最初から最後までシスコン大王キラ様の黒い部分が見えて終わりました(汗)
・・・ほんっとに好きなんですよ・・・黒いキラ様(今更)
あ、ちなみにカガリの首筋の"点"についてのお話は裏部屋にありますー。
こっちはちゃんとした純粋なアスカガですよ(笑)
気になるって方はぜひ、探してみて下さいねv
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