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離さないで




-------どうしようもなくドキドキして。

----------でもそれが何なのかは分からなくて。







---------------私の日常はコイツのせいで狂い始めたんだ。















「カガリ!クラスでお前だけだぞ、課題提出してないの」
「あー、そういえばそんなのもあったな」
「カガリ!」




ぐちぐち、ガミガミ。
一体いつになったら、このお説教は終わるのだろうか。
別に課題の1つや2つ、ちょっとぐらい遅れたってバチは当たらないのに。
・・・まぁ、きっとそんなこと言ったら余計怒るだろうから言わないけどさ。
アスランの説教の元、右耳から左耳に言葉が通り過ぎるだけのカガリの口からため息がもれる。
そんなカガリの様子に気がついたのか、すかさずアスランが小言を漏らした。




「いいか、カガリ。今回の課題は直接単位に影響してくるんだぞ。毎度赤点ギリギリのお前がここでやらなくてどうする」
「大丈夫だよ、体育はずっと"5"を貰ってるから。」
「バカ!体育で成績が良くても、他がダメだったら同じなんだぞ!・・・だから早く済ませて提出しろよ。」




先程よりもやんわりとした態度で促すと、アスランはカガリの少し膨れた頬を見て苦笑いをした。
・・・まさか、ここまでやっていなかったとは。
さすが双子・・・と言うべきか、カガリもキラと似て苦手なものはとことん出来なくなる。
別に頭が悪い訳じゃない、ただやろうとしないだけ。
だからこうして催促しないと、一向に作業が進まない。



「・・・・本当に分からなかったら、俺かキラが手伝ってやるから、な?とりあえずやってみろ。」
「・・・うん。」
ポンっと、なだめるようにカガリの頭に手を置くと、アスランは自分を呼ぶ担任の元へと向かった。












・・・自分の気も知らないくせに。

はぁ〜・・・っと大きなため息を1つつくと、カガリはそのまま机の上でうなだれた。
分からない・・・分からないけど、胸がすごくドキドキしてる。
最初はただの病気かと思った。
だから双子の兄のキラに相談した。
けど、
「ん〜。それは多分病気じゃないと思うよ?けど、正体が何なのかは自分で見つけなきゃね。」
と、曖昧な答えで終わってしまった。
・・・・病気じゃなかったら、一体何なんだよ〜!
って言っても、笑われるだけ。

課題だってやろうとしなかったんじゃない。
やれなかったんだ、この"病気の正体"が気になってしまって。
これもあれも、全部元凶であるアスランのせい!
そのくせ課題を早く提出しろー、だなんて・・・・一体誰のせいだと思ってるんだ!









すると、先程のアスランとの会話を見ていたのか、ミリアリアとフレイが何やらにんまりとした表情でカガリの背中をたたいた。

「ちょっと!見てたわよ、さっきの会話。」
「・・・へ?さっきって?」
「だからアスラン・ザラとの会話よ!・・・何だかすごくいい雰囲気だったじゃない?」



・・いい・・雰囲気?
少ししてその言葉の意味を理解したカガリは、2人の前で音を立てて顔を赤くした。


「な、何言ってるんだお前ら!私とアスランはただの・・・」
「クラスメイト?」
「そ、そうだ!別に他に何かある訳じゃ・・・・」



わたわたと慌てふためくカガリに、2人は顔を見合わせてクスクスと笑い始めた。
それがとても心外だったのか、カガリがかっと口を開こうとする。
が、素晴らしいタイミングで始業のチャイムがなってしまったので、言い足りないことはいっぱいあっても会話の中断を余儀なくされた。




「早く気付きなさい、自分とアスラン・ザラの気持ちに。」

カガリの席を離れる最後に言った、フレイの言葉が更にカガリの難問を難問にしてしまったけど。。
























------アスランが転校するという噂は、それからすぐ後のことだった。








誰が言ったのかは不確かでも、何でも父の転勤に合わせる・・・という内容は真実味があった。
と言うのも、元々アスランの家は転勤を繰り返しており、この高校にも1年の夏に転校してきている。
そして高校2年の冬。
次の春に合わせて引っ越す・・・ということなら、妙に納得がいくというものだ。
そういう訳で、学級委員であり学年トップの秀才+校内一の甘いマスクを持つ男"アスラン・ザラ"の噂は瞬く間に広まった。


もちろん、悩める乙女カガリの元にも、この噂はすぐに耳に届いた。
同じく事情を知ったミリィやフレイも、この事態にカガリを心配せずにはいられない。
しかし、カガリは決して辛そうな表情を見せることはなかった。

「カガリ、あんた本当に・・・・」
「だから大丈夫だって言ってるだろ!いいじゃないか、うるさい奴がいなくなって」
「・・・・カガリ・・・。。」



・・・やっぱり分からない・・・。
どうしてアイツを思い出すたびに、胸がすごくチクチクするんだろう。。
今まではずっとドキドキしてたのに・・・・なんで?
いなくなるからか?"クラスメイト"がいなくなるからか?
けど・・・・それだけじゃない気がするのは・・・なんで?
ますます分からなくなる自分の変化に、カガリはただただ戸惑うだけだった。









月日は流れ、高校2年の学校生活も残すとこ後わずかになった。
あの噂からというもの、アスランとは何故か顔を合わせづらくなってあまり話をしていない。
挨拶程度はしても、会話はしない・・・そんな状態が続いた。

そんなある日、カガリは友達に頼まれた部活のヘルプのため、いつもより帰る時間が2時間もオーバーした。
「・・・真っ暗だ、教室。。」
いつもなら授業が終わってから真っ直ぐ帰るため、遅くても夕日に包まれている教室しか見たことがなかった。
が、人っ子1人いない真っ暗な教室は、まるでお化け屋敷みたいだ。
初めての体験に少し足を震わせながらも、カガリはいそいで電気をつけて教室に入った。

・・・と、目に入るのはあの"アスラン・ザラ"の机。
性格が出てるのか、何故か周りの机とは雰囲気が違うように見える。
・・・・見た目は他の机と何も変わってないのに。なんで?
無意識のうちにアスランの机に座ると、再びまたドキドキした。
「・・・この机、何か細工でもしてあるのか?」
じ〜っと、何か変わった様子がないか探すカガリ。
が、突然、
「お前もとことん失礼な奴だな、人の机に座っておいて。」
と、そんな彼女の元に聞き慣れた声が聞こえてきた。



「・・・ア、アスラン?!」
そう、入口にいたのは紛れもなくアスラン。
委員会か何かだったのか、資料を持って呆れた表情でドアに寄りかかっている。
カガリは驚きのあまり席を立つと、勢いのあまりイスが後ろにひっくり返ってしまった。
その行動がおもしろかったのか、アスランに吹き出されてしまう。


「わ、笑うなよ!誰のせいだと思ってるんだ!」
「ごめん、ごめん。あまりにもおもしろかったから、つい・・・」
「お、お前だって充分失礼なやつだぞ!まったく!」


ぷいっと顔を背けると、アスランはまた例の笑みでカガリの頭をポンっと撫でてきた。
ちらっと横目でみると・・・やっぱり笑ってる。
ドキン。
その瞬間、カガリは絡まった糸がぱっと1つの線に繋がったような気がした。
・・・そうか。
私はコイツのこの笑顔が見てドキドキして・・・。
この笑顔が見れなくなるから胸がチクチクしたんだ・・・。



途端、ほろほろとカガリの頬に涙がつたう。
突然のことにアスランは、撫でたのが痛かったのか?とか大丈夫か?とカガリに訪ねたが、カガリはどれも首を横に振るばかりだった。
苦しい、怖い、辛い。
もう春からこの笑顔が見れなくなるなんて。
アスランに会えなくなるなんて。
それが分かった途端に、全身に悲しみと寂しさが突き刺さった気がした。

すると、頬に温かい手の平の感触が伝わる。
はっとカガリが顔を上げると、アスランが自分の頬に手を当てて真っ直ぐ見てくるのが分かった。
恥ずかしさのあまり、また顔を背けようとすると、
「・・・・俺のせいで泣いてる・・のか?」
と、強引に視線を合わされてしまう。
その目は悲しみと寂しさを漂わせて、まるでカガリを拷問するかのように見つめてくる。
逃げ場を失ったカガリは、どうにでもなれ!と覚悟を決めて叫んだ。



「・・・お前っ・・・転校するって言うから・・・!だから悲しくて・・・寂しくてっ。それで・・・!」


きっと今の自分はすごく情けない顔して・・・不細工だ。
・・・笑うなら笑え!
そう思った時だった。
予想とは裏腹に、まったく話が見えていないようなマヌケ面のアスランが目の前にいる。

「・・・・・え、カガリ。何、転校?誰が?」
「だ、誰って・・・自分のことだろう?!次の春には転校するって・・・!」
「しないよ。」
「は?」
「俺は転校しない、ずっとカガリの側にいるよ。」



そう言って、ぐいっと自分の腕をカガリの腰に回すと、アスランは一気に自分の元に引き寄せた。
そしてぎゅっと、カガリの体を強く抱きしめる。
「ごめん、俺のせいで泣かせて。。」
苦しそうなアスランの声と、ふわっと香るアスランの匂い。
今のカガリの思考回路では、そこまでしか分からなかった。
え?今何が起ってる・・・?アスランは転校しない?ずっとカガリの側に・・・?それって私だよな。。
でもどういう意味・・・。え、あ、まさか・・・・


何かを察したのか、カッチーンと、石のように固まったカガリ。
それに気付いたのか、ようやくカガリの体を少し離すと、アスランがまた優しく笑い出した。
「・・・気付かなかった?俺の気持ち」
「ば、バカ!気付く訳ないだろう!自分の気持ちだってさっき分かったようなもんなんだぞ!」
「じゃあカガリの気持ちは・・・?」
「へ?」









--------------分かってるくせに。






いつだってこいつが何か企む時は、こうして笑うんだ。
それが悔しくて悔しくて。
でも・・・・










「・・・ずっと、側にいたい。」








消えるような小さな声で、呟くと、カガリは真っ赤な顔をして自らアスランの胸に顔を埋めた。
ぴくっと一瞬反応したアスランだか、そんな小さな彼女を再び優しく包み込む。













これからもずっと。
この先もずっとずっと。
アナタノ・・・キミノ側にいるから。









だからもう、離さないで・・・----------------。


















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*管理人コメント*
ずっと書いてみたかった学パロに初挑戦ー!
実際、すごく楽しかったです^^
しかも!私の作品史上初めてまともなキラ様が出てきた気がするし(笑)
やっぱり本編とは違って"戦争"とか"責任"とか重いネタが出てこないので、その分書きやすいのかな。
これからも増えますよv学パロシリーズv
・・・・た、多分(汗)