道
いつも通るフェンスの道
学校の通学路でもあり私のお気に入りのランニングコースでもあるこの道は、生活の中で…ううん。
私の人生の中でなくてはならない道なのかもしれない。
小・中学校と、毎日のようにこの道を通って行った骨つぎやさん。
適わぬ恋とは分かっていても、日に日に強くなる気持ちに苦しみながら歩く道
その気持ちと共に伸びた、ちょっと重たい髪の毛を少しでも軽くしようと、風に頼むようになびかせる
--------------------かすみお姉ちゃんみたいに髪を伸ばせば私だって・・・・
期待をしている訳じゃないけど、
諦めようと努力もしているけど、
しょうがないじゃない。
どうしようもないくらい好きになっちゃったんだもん
代わりなんていない。
私は・・・・・・私は東風先生が好きなんだから。
「男なんて大嫌い」
いつしかこの言葉が、受け止めないといけない現実から目を離すための合言葉になっていった。
春
未だに変化のないまま迎えてしまった桜の季節
・・・唯一変わったとこと言えば、東風先生がベティーちゃんと公園を走っている回数が増えたことだけよね。
-------------------痛い
その現場を目撃するたびに、胸がズキンと鳴る
が、そんな私にも予想もしない環境の変化が起こった。
ある日突然伝えられた「許婚」。
しかもそいつは人の風呂は覗くわ、口は悪いわ、おまけに変体体質ときたもんだ。
・・・・・普通の人が体験出来ることじゃあないわよね。。
ともかく、私が一番理想としない奴だったことには違いない。
・・・・・・・・でも
「笑うとかわいいよ」
と、不意に言われたそのセリフに私の胸は再び鳴り響いた。
そう、それはズキンじゃなくて・・・・
ドキっ
卑怯じゃない!
イキナリそんな似合わないセリフ言うなんて。
私は・・・・・・あんたなんか大嫌いなんだから。
東風先生がまだ好きなんだから。
だから・・・・・・・
そんなこと、言わないでよ。。
それからちょっとして、乱馬と良牙君の戦いに巻き込まれた私の髪の毛は、誰もが予想しない場面でバサリと落ちた。
その瞬間、今まで思ってきたもの・信じていたものが急に髪の毛と一緒になって下に落ちていく。
首筋に感じる春らしい冷たい風と胸に開いた穴を通る風の温度が、まったく同じように感じた。
「ほねつぎやさんに行かなくちゃ・・・」
まだ頭の中で整理がつかない状況の中、心にその言葉だけが浮かんでくる。
足を引きずりながら、切って軽くなったはずなのに何故か重く感じる髪の毛をなびかせながら、私は桜が少しまうこの道をとぼとぼ向かった。
と、いつのまにか後ろに付いてきていた乱馬に気付く。
途中何回か心配しなくていいから帰っていいって言ったんだけど、結局最後までコイツは骨つぎやさんにいた。
もちろん、私が東風先生の前で泣いてるときも。
泣いて泣いて泣きじゃくって・・・・
心に整理がつくまでの間、ひたすら先生の胸の中で泣いた。
・・・・乱馬、どうしてあの時帰らなかったのかな・・・・・?
「あ・・・れ。私なんで泣いてるんだろ・・・・・・・」
はっと我に返るといつもの帰り道に立っていた。
しかし今はもう桜の季節ではなく、暑さもようやく治まってきた秋の季節
「久しぶりだなー・・・・あの時のこと思い出すの」
あれから約5ヵ月後
また随分と環境が変わってしまった。
黒バラの小太刀から始まり、シャンプー、ムース、右京といった乱馬を追う人が増えたのである。
きっと乱馬と出会わなかったら、こんなに色々な人と接する機会なかったわよね。
と、顔を上げると、人先の家でいかにも怪しく木の中でがさこそやっている人影発見
・・・・・・・・・・・こんなことする奴って言ったら・・・・・・・・・・・
「・・・・・乱馬!!あんたそこで何してんの!!!!」
「・・・・・あ?・・・んだよ、あかねか。」
思った通り、木の中からひょいっと顔を出してきた。
「今度は何やってんの?柿取り?りんご取り?・・・・・あ、もしかして下着なんて盗んでんじゃないでしょうね?!」
「あほ!俺がそんなことするか!!第一、お前一体俺のことどういう目で見てんだよ。。」
「だって・・・・・・」
私がそう言い掛けた時、半ば呆れた顔を見せて、
「これだよ、これ」と言いながら手のひらに乗せているものを私に見せてくれた。
「・・・・・鳥の・・・・・・・・・・巣?」
「他に何に見えるっつーんだよ」
枯葉や稲の草等を複雑に組み込められて作られたその巣には、可愛い小鳥が二匹、親のエサを求めてぴぃぴぃと泣いている。
「帰り道にこの巣が落ちてるの見つけて、しかもまだ鳥のガキも入ってるから助けてやったんだよ!あ、ちゃんとこの家にOK貰ったんだからな?!
・・・・・・・・・・ったくそれなのにおめぇはいつもいつも・・・・・・・・・・・・」
ぶつぶつとぼやく乱馬
そんなコイツを見てふと、髪を切ったあの日のほねつぎ屋さんからの帰り道を思い出していた。
「いいのよ別に。慰めてくれなくても」
「そ、そんなんじゃねぇーや!
・・・・・・可愛くねぇなっ人がせっかく誉めてんのに」
「えー、どうせ可愛くないわよ」
「とにかく、おれは絶対短い方が好・・・・
いや、おれの好みなんてどーでもいいけど・・・・・//////」
フェンスの上でぶつぶつつぶやく乱馬
やっぱり嘘でも嬉しかった。
あの時あんたがいなかったら私、また戻ってたかもしれないよ
つい、ふふっと思い出し笑いをしてしまう。
「・・・・おい聞いてんのか!あかね!」
「聞いてたわよ!んもう、だったら早く置いてこっちくればいいじゃない!」
この言葉にまた不満を持ったのか、またぶつぶつと文句を言いながら木からこちらに飛び移ってくる。
もちろん巣はヒナ共々安全な場所におかれていた。
そんな様子を見てほっとする。
「乱馬・・・・今度はあの子達が巣立つところを見に来よ。春にまた一緒に」
---------素直に出た言葉だった。
自分でもびっくりするぐらいまでに。。
が、その瞬間今まで文句を言っていた乱馬の口が止まってしまった。
え?え?やっぱり私なんかマズイこと言ったかな?
と、
ぽんっ
頭の上に優しく手を乗せられる
「バーカ、当たり前だろ?んなこと今更言うなよ」
「え?」
思いもよらぬ反応に私は耳まで赤くなっていくのが分かった
「そ、それって・・・・////どういう意味・・・////」
「どうせ来年の春までは確実におめぇんとこに居候させてもらうんだろうしな!
わはははははは!!」
は?
じゃあなに、あんたが春また観にくるって・・・・
来年も居候するからってだけ・・・・・?
へぇー・・・・・そぉ・・・・
感情が先か、手が先かは分からなかったけど、私の拳は確実に乱馬の顔に入った
「やっぱり大っっっ嫌い!!!」
「なんでだよー!!!!!!!!」
そんな声も気がしたけど、もう知らない
やっぱりコイツは最低の人間だわ!
心の中でそう誓う
でも・・・・・あの頃よりまた少し伸びた髪の毛は、心なしか切った直後より軽く感じる事が出来た。
何故だか分からないけど、髪も短いままがいい気がする。
自分の気持ちもよく分からないままだったが、一つだけ気が付くことが出来たものがあった。
""来年もずっとずっとその先も・・・・・・一緒にこの道・・・通ろうね。乱馬""
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*管理人コメント*
「さくらドロップ」の管理人あゆりさんに1周年記念の小説をプレゼントしましたv
らんまではお馴染みのフェンスが続く長い長いまっすぐな道
特にあかねちゃんはあそこの道にたくさんの思い出を詰まらせてるんじゃないかなーと思って、今回はあかねちゃん視点にしました
そして同じく「さくらドロップ」さんにも、これからも同じくらい長い「道」を歩んで欲しくてvv
・・・・・・・・にしては乱Xあ度もちょっと低めになっちゃったんですけどね(涙)
あゆりさん、1周年おめでとうございました☆
これからも頑張って下さいvv
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