コタツ




「あ゛〜寒かった〜!!・・・お!コタツじゃん!」




乱馬が帰ると、居間にちょこんと1つコタツがあった。
これからもっと寒くなる今の時期にこのアイテムは欠かせないだろう。
乱馬はそんなことを考えながら、コタツの中に入った。

「やっぱコタツはいいよなぁ・・・ん?!」



------何かに当たった。
それはおそらく「物」ではなく「人の足」だろうということは乱馬でもわかった・・・が。
同時に、嫌な予感と汗が乱馬の体を通る。
というのも、当たった時とてもすべすべとして温かい肌触りがしたからである

(まさか八宝菜のじじぃじゃねぇだろうな・・・・・・・)

考えただけでも身の毛がよだつその予想。
しかしそれはある意外な人物だった。




「あ、あかね?!」

隣をひょこっとのぞくと、そこにかわいい寝顔をして寝ているあかねの姿があった。
いつもは俺が寝てるとすぐに怒るくせに、自分だけ堂々と寝るなんて。
だが、そんな想いとは裏腹に次々と心の言葉が頭に浮かぶ。



・・・・・・・・・あいつあんなに肌きれいだったんだな・・・・
・・寝顔もかわいくて・・・・・・・・・・
・・・・って俺は何考えてんだっっ///////



不埒な妄想の前に、1人顔を赤くし、頭をかく乱馬。
もちろん本人は傍からみた奇怪な行動をしていることにまったく気付いていないのだが。



「・・・ん・・・・・」
「・・・?!/////」


と、今まで静かに寝息だけを立てていたあかねが、急にもぞもぞと動き始めた。
ついさっきまでは起きて欲しくてしょうがなかったのに、今では恥ずかしさで寝てもらってた方が楽だ。
俺がコタツ出る前に起きないでくれ!!
そんな乱馬の願いをよそに、あかねは眠気眼のまま目を覚ました。

「・・・ら・・・んま?」
「よ、よう!!!・・・起きたのか?」
「うん・・・・ふぁ〜あ・・・よく寝たぁ・・・」


大きなあくびをひとつするあかね。
その様子を見入ってしまう乱馬。

と、その時



パタン


「え゛・・・?」




あくびをした口が閉じると共にあかねはまた眠ってしまった。
そう、乱馬によりかかる状態で。
おそらく隣にいたためか、いい枕代わりになったのだろう

「ちょ、お、おい!あかねっ//////」

近くで呼んですぐ起きるあかねではない。
乱馬もそのことは重々承知はしていたが、この状態で何かしないわけにはいかなかった。

(・・・も、もしこの状態を誰かに・・・そう、なびきとかに見つかったら・・・/////)

「あ〜ら、いいかっこうね♪乱馬君♪」
「な、なびき?!」

最悪の結末だ・・・・・。
世の中とはどうして、こうもマズイ時に更にマズイことがあるのだろう。
ゆすり、写真売買、はたまた人身売買・・・どれもありうることである。
乱馬はその後の結果を直感的に感じた。



「乱馬君♪もちろん私が何考えてるか分かるわよね?」
「・・・・・・いくらだ」
「それでこそ私の未来の弟♪・・・そうねぇ3000円ぐらいかしら?」
「1500円!!(乱)」
「2800円!!(な)」
「1700円!!(乱)」
「2500円!!(な)」
「1900円!!(乱)」
「・・・じゃ、4000円(な)」
「わ、わかったよ!!2500円!!(乱)」




・・・今月のお小遣いはほとんどパァ。
息つく暇もなく展開されたのに、全てなびきの有利に持っていかれてコレだ。
がっくり肩を落とす、未来の弟に姉はふふっと笑いながら更に言い聞かせる。



「毎度あり〜♪安心して、もちろん誰にも言わないから♪」
「あ、当たり前だ!!金払ったんだからな!!」
「・・・はっ、こんな所に証拠写真のネガがっ!!」


見ると、なびきの手にさっき撮ったと思われる写真のネガがあった。
・・・いつもながら、この手回しの早さには舌をまく。
そんなことを考えつつ、更なる恐怖を前に乱馬はなびきの目を伺った。



「・・・・ど、どうするつもりだ」
「・・・・4500円」
「な゛、金は払っただろ?!」
「あれは見ちゃった代。これは証拠写真代♪」



手をひらひら返すなびきに、もはや乱馬には成す術がなかった。
・・・いや、もしかしたらそんなもの最初からなかったのかもしれない。
恥ずかしさと悔しさで震えるその手に握り締められたのは、他ならぬ千円札だった。







「・・・・・ふぁ〜あ・・よく寝た・・・あれ?なびきお姉ちゃん、乱馬は??」
「え?・・あぁ乱馬君なら道場よ」
「そう・・・・」
「あ、そうだ。あかね、今日と明日ぐらいは乱馬君に優しくしてあげんのよ?」
「な、なによ・・いきなり」
「まぁ、ちょっとね♪」


結局乱馬は合計7000円払ったらしく、一人落ち込んでいた。
だがその後なびきの助言によりあかねの手料理が乱馬に待っていることをまだ乱馬は知らない・・・。





「くっそぉ〜!!なびきの野朗!!」



乱馬の叫び声がいつまでも響き渡っていったのでした♪






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*管理人コメント*
「ほわ茶」の管理人日菜月さんに相互記念としてさしあげた物ですvv
ほんとはもっと乱XあをラブA状態にしたかったのですが・・・
あかねちゃん寝てたしぃ・・・・(汗)
なびきはゆすりまくってるしぃ・・・・(滝汗)
(↑言い訳)
そんな訳で結局乱馬君の悲劇(喜劇?)で終わってしまいました。