これがいい
出会って2年
身辺もようやく整理がつき、お互い高3になって、乱馬が18歳の誕生日を迎えたこの日。
そして同時に私と乱馬が夫婦になって迎えた初めての夜。
昔みたいな子供っぽい意地の張り合いは少し無くなったけど、まだこの雰囲気には慣れなかった。
「はぁ〜・・・」
横で寝ている乱馬を見つつ、思わずため息が漏れる。
乱馬・・・・・結局私なんかで良かったのかな・・・・・・・・。
1度は聞こえた気がしたあの気持ちも、今は曖昧な感じがして仕方がない。
こんな事考えるなんて今更だけど、私の心にずっと引っかかっていたのは確かだった。
「眠れないのか?」
はっと見ると、眠たそうに目をこすりながら乱馬がこちらを見ていた。
「あ、ゴメン。起こしちゃった?」
「いや、なんか気配感じたから少し起きたんだけど・・・・・・・・・・やっぱり当たってたみたいだな」
「え?気配?な、なんの?」
「これ」
そう言うと、乱馬はいきなり私をぎゅっと抱きしめてきた。
急な出来事に、ただただ顔を赤くする事しかない
「ら、乱馬?!////い、いきなりどうしたのよ?!」
「安心・・・・したか?」
「え?」
「あかね、今俺の事で何かすごく不安を持ってただろ?さっき言った気配っつーのはあかねが不安を持ってた気配」
「な、何よそれ!訳分かんないじゃない!/////」
「じゃあ何で眠れなかったんだよ」
「それはっ・・・・」
思わず言葉に詰まってしまった。
正直、乱馬が言っている事はすべて当たっている。
だからぎゅっとしてもらった時、いつも以上に幸せに感じれた。
不安がある時こそ、それを取り除いてもらった時の嬉しさは計り知れない。
まだ抱きしめられている状態だったため、乱馬の心臓の音がゆっくりと私の体にも伝わっていった。
その音を感じたせいだろうか、自然に口も開く。
「あのね・・・・・・ずっと・・・ずっと乱馬に聞きたかった事があったの。。」
「あぁ・・・・・」
「・・・・・その・・・・・・乱馬、私と結婚して後悔してない?!
こんな不器用で素直じゃなくて、可愛気がなくて、意地っ張りで、格闘大好きで・・・・・・・・普通の女の子みたいにか弱くなくて。。。。
そりゃあ今更こんな事言うなんて変なんだけどっ・・・・・もし乱馬がそう感じるんだったら・・・・・すぐ別れてもいいんだよ?。。」
最後の方には、震える声しか出せなくなっていた。
あぁ〜もう、私のバカバカっ。
こんな言い方じゃ、余計乱馬に心配を掛けるだけじゃないっ。
すると乱馬がため息を出しながら、私の頭をぽんぽんと軽く叩いた。
予想外の反応に思わずぽかんとした表情で乱馬の顔を見上げる。
「けっ。・・・・・・そんなくだらねぇー事で眠れなかったのかよ。ったく心配して損したぜ」
「な、なによ!これでも人が一生懸命悩んでたのよ?!それを「そんな事」とか「心配して損した」だなんてっ」
「あのなー、おめぇ俺と何年一緒に暮らしてると思ってんだ?ちったぁ気付けよ、この鈍感女っ」
「な゛っ・・・・・」
あまりの言いぐさに、このまま殴ってやろうかと思った。
が、その時。
乱馬は更にぎゅーっと私をきつく抱きしめてから、私の耳元でぽつんと呟いた。
「これがいいんだよ」
「へ?//////////」
「確かにお前は鈍くて、不器用で素直じゃねぇーけど・・・・・お、俺はお前がいいんだよ////」
「乱馬・・・・・」
「ったく・・・もう2度とこんな恥ずかしいセリフ言わせんなよなっ////ほら、安心したんだったらもう寝るぞ?!////」
顔を真っ赤にしながら、ちょっと膨れっ面をみせて、急いで目を閉じる乱馬。
くすっ、まるで子供みたいじゃない。
だけど、相変わらず腕の位置だけは変わってくれなかった。
きっと逃げ様としても、逃げられないし、仮に逃げたとしてもすぐつかまっちゃうわね♪
まだまだ成長しきってない私達だけど、気持ちだけは少し大人に近づけた気がした。
「これがいい・・・・か・・♪」
ほんと乱馬らしいよね、このセリフ。
その後ようやくまぶたが重くなってきて、私は眠りについた。
ずっと・・・ずっと乱馬の腕の中で。。。
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*管理人コメント*
「おさげの男の子」の管理人朱鷺さんに相互記念として差し上げましたv
久々なの・・・かな?あかねちゃん視点です☆
たぶん未来系の小説は今回が初めて^^
私自身、書いててすごく楽しかったですv
やっぱり結婚しても2人は2人のままなんだろーなーって♪
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