「乱馬、ちょっといい?」

「あー・・・」



ゆっくりと衾(ふすま)を開け、早乙女親子の部屋に入るあかね。
中では乱馬がゴロゴロしながらマンガを読んでいた。


「んもうっ!休みの日ぐらいしゃきっとしなさいよね!」
「けっ、俺はおめぇと違って稽古の量が半端じゃねぇーの!こういう時ぐらい別にいいだろー」
「まったく・・・調子いいんだから・・・」
「んで?何の用なんだよ。・・・まさかこれだけ言いに来たんじゃねぇだろうなーっ?」
「ち、違うわよっ」


はっと気がつくとあかねは「そうそう」とちょっと照れながら言った。


「あのさー・・・・私この前の事件で・・・その。。髪・・・短くなったじゃない?」
「え゛?」


この前とは約1週間前に起きた、乱馬と良牙の戦いに巻き込まれてあかねの髪が切られてしまった事件の事である。
思わず乱馬の背中に嫌な汗が流れた。
そんな乱馬を知ってか知らずかあかねは構わず話始める。


「なんか・・・改めてこう言う事言うのって何だけど・・・・・・・・・」
「お、おぅ・・・・・」
「乱馬の・・・・・・・・乱馬のバカーっ!!」


キッと乱馬への視線を鋭くするあかね。
乱馬も覚悟をしていたとはいえ、ぐさっという音と共に矢が心に刺さった。


「・・・・わ、わぁ〜ってるよ。。その・・・・俺も良牙もあの事は一生悪ぃと思・・・・・・」
「だからそれがバカだっつってんのよ!!!」
「へ?」


乱馬の反応に、あかねは少しがっかりした感じではぁ〜とため息をついた。
それに比べ乱馬はまだ困惑している

「ど、どういう事だよ・・」
「・・・・・・・別に髪を切られた事に対して怒ってるんじゃないのよ。。
・・・・乱馬、あれから1週間ずっとあの事件気にしてたでしょ?そりゃあ、女の子の髪を切ったんだから重罪にはなるけど。。
でも・・・・私はあれで東風先生への想いを断ち切れたんだからむしろ乱馬達に感謝してるくらいなの。
なのに当のあんたがそんなんだったら、こっちまで気にしちゃうじゃない!だから・・・・」
「あかね・・・・・」
「それにそんな乱馬、なんか優しいみたいで気持ち悪いしね♪」
「お、お前俺をどういう目で・・・・・・・」


むっとする乱馬にべーっと舌を出してからかうあかね。
「可愛くねぇ」と乱馬が言いかけた時、ふいにあかねが笑いながら言った。



「それでこそ乱馬でしょ?やっぱり乱馬は乱馬らしいのが1番だから、ね♪」



------------・・・!!/////


かーっと全身が熱くなるのが痛いほど分かる乱馬。
あかねのふいに笑いかける素直な仕草に、まだ慣れていなかったのだ。


「じゃあ用はこれだけだから。いい?もう気にしなくていいんだからね?・・・じゃあね♪」
乱馬がこくっと頷くのを確認してから、あかねは機嫌良さそうに部屋を後にした。




-----・・・・ったくなんなんだよ〜っ
--------可愛くねぇと思ったら・・・・・その・・・急に素直で可愛くなっちまって///
-------------髪・・・・・・俺もいつか切ってみっかな〜。。。
---------------------・・・・・そしたらあかねの奴、どういう反応する・・・・・・って!


「別に俺はっ・・・///////」
「何を1人ではしゃいでるんだ、戯け者!!」


はっと後ろを振り向くと父玄馬が怪訝そうな眼差しで自分の息子を見ていた。


「い、いつからいたんだよくそ親父っ」
「あかね君がこの部屋に入る前からずっといたわ!・・・まぁその時は襖に隠れて様子を伺わせてもらっていたが。
 ・・・・いい許婚じゃないか、なぁ乱馬!」
「て、てめぇ人の話盗み聞きしやがって!!!/////」
「はっはっは!そう照れるでないっ!!これで我らも早乙女家も安泰・・・・」
「これ以上しゃべるなくそ親父〜!!!/////」


どーん!!!

玄馬がいい終わらない内に、乱馬は玄馬を蹴り飛ばした。


----・・・・はっ
----------あのバカ親父の血をひいてるってことは・・・・・・俺もいつかあぁなるってことか?!




飛んでゆく玄馬を見つつ、髪を切るのを少し待とうと心に決めた乱馬であった。








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*管理人コメント*
「宵のムラサメ」さんの管理人永野刹那さんに120000hitのお祝いに差し上げましたvv
最近描いている2人がいつも出会ってから大分経っている設定だったので、今回はまだ間もない頃を描いてみましたんですが・・
この頃からすでにお互いを意識してたんだなーと自分で再確認♪
・・・・まぁ乱馬君は自分の髪の行く末を再確認したと思いマスが(笑)