雨
「あ・・・やっばー。かさ持ってきてなかったんだよね・・・」
突然降ってきた雨を昇降口から見上げるあかね。
委員会のため先に乱馬には帰ってもらったのだが、こうした雨の中で1人というのはどことなく寂しい。
「雨、早く止まないかなー・・・・・」
それから数十分後。
それでも雨は止む気配を見せなかった。
それどころか次第に強くなってる気さえする。
「どうしよ・・・・・・。。こんな雨の中迎えに来てもらうのも悪いし。。。。。」
だからと言ってこれ以上待つわけにも行かないし、何より雨が降っているせいで普段よりも辺りが暗くなる時間が早くなるので少々危険である。
あかねは意を決した。
--------私の脚力なら・・・・・家まですぐよね!・・・よし!
すぅっと深呼吸すると、吐くと同時に走り出した。
かばんを頭に当てる感じで少しでも雨を避けようとする。
しかし現実は無情にも、そんなあかねを益々痛めつけているようだった。
「やだ、ちょっと風も強くなってきた?!」
初めは吹いてるのかなぐらいにしか思ってなかった風も、雨と共に次第に強くなってきていた。
それにより更にあかねの体力と気力が奪われる。
「もぅ〜!!帰ったらすぐお風呂入んなきゃ〜・・・・」
はぁ・・・はぁ・・・・・・と息を切らし始めた頃、ふとあかねの目に前から来る1人の少女が移った。
「らん・・・ま・・?」
「・・・よっ・・」
自分と同じくびしょびしょに濡れた姿のらんま。
手には2本の傘が握り締められていた。
そんならんまにあかねも思わず駆けつける。
「ちょ、ちょっとどうしたのよ!傘もささないでこんなに濡れて!!」
「あぁ・・・かすみ姉ちゃんに雨止みそうにないからっつってお前を迎えに行くよう頼まれてよ・・・・・。。
そんで出たら出たで、この風でさしてた傘がだめになっちまって・・・・・」
「え?で、でももう1本あるでしょ?なのになんで・・・・・」
あかねが不安混じりの顔で問いかけるとらんまは少し照れ笑いをしながらこう応えた。
「・・・・ば〜か。そこで俺がさしちまったら、風が吹いた時また壊れちまうかもしれねぇだろ?・・・そしたらお前を向かいに行った意味ねぇし////
その・・・・濡らしちまうし・・・・/////」
まぁ、今更遅いんだけどな。と、らんまはすまなそうな顔をしながら後に付け足した。
最初はその話をきょとんと聞いていたあかねだが、乱馬が言い終わる同時にゆっくりと微笑みだす。
「・・・遅くなんか・・・・ないよ・・・・」
「え?・・・・」
「らんまが今、この時間来てくれなかったらきっと私風邪惹いてた。。・・・でも早かったとしてもその傘壊れちゃってたかもしれない。。
今の風なら家まで傘ももつだろうし。。だから、らんまは1番いいタイミングで迎えに来てくれたんだよ♪・・・ありがとう、らんま」
「あかね・・・・・・」
思わず視線をはなせなくなる2人。
はっと同時に気がつくとお互いぷいっと顔をそらしてしまった。
らんまは顔をかき、あかねは下を向いている。
・・・そしてようやくしてから、あかねがちらっとらんまの方を見ながら言った。
「・・・・・帰ろっか♪/////」
「・・・・・おう/////」
ぱっとらんまが2人の間に傘を差す。
あかねもようやく頭からかばんを下ろす事が出来た。
「・・・・なんかさー・・・久々だよね、「アイアイ傘」するの♪」
「な゛っ・・・・////」
ふとあかねが漏らした言葉に敏感に反応するらんま。
それに対しあかねも反応する。
「なによ、嫌な訳?!・・・・ま、どうせ可愛いシャンプーちゃんや右京ちゃんとかとほんとは入りたいんでしょうけどっ」
「な、なんだよ!そんな事誰も言ってないだろ?!・・・ったくほんと可愛くねぇな〜!」
「どうせ可愛くないですよーだ!この変態!」
「んだと〜!!」
「なによ〜!!」
人の目も気にせず喧嘩する2人。
気がつけばさっきまであんなに降ってた雨も止んでしまったようだ。
・・・・・それでも喧嘩に夢中にあまり気づかないこの2人、結局最後の最後までアイアイ傘で帰ったそうな♪
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*管理人コメント*
「さくらドロップ」のあゆりさんに40000hitのお祝いとして捧げました☆
丁度私もどしゃぶりの雨に降られたながら帰った時に考えたんですけど。。
もちろん私に傘を届けてくれる方はいなく(--;)
作り終わった時無償に寂しい気持ちになりました(笑)
あゆりさん♪40000hit本当におめでとうございますv
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