ちょっと早い朝






「「行ってきま〜す」」
「はい、行ってらっしゃい」


かすみは玄関から2人を笑顔で見送った。




「めずらしわね、あんたが寝坊しないなんて」
「うるせーっ俺だってやる時はやるんだよっ」
「ま、それがずっと続くといいんだけど・・・」
「な、なんだよその言い方・・・」
「だーって、何度呼んでもなかなか起きて来ない上に遅刻までしそうになって・・・これじゃあ私が早く起きても意味ないじゃない」
「だ、だったら先に行けばいいだろっ」



げ、しまった。
乱馬はとっさに思った。
つい余計な事をいい、結局喧嘩になってしまう



「別にそれでもいいけど・・・・あんた毎日遅刻になるわよ?そしたら退学になって1番困るのはあんただけど、次に困るのは早乙女のおじ様やおば様、お父さん達じゃない。だから付き合ってやってんの!」



あ、やばっ。
あかねはとっさに思った。
わざときつい事を言って相手を怒らせてしまう。



「「はぁ〜・・・・」」
「「え?」」
「あ、あんたなにため息なんかついてんの?!」
「お、お前こそため息つく理由なんかあんのか??」
「なによっ」
「なんだよっ」
「結局は似たもの夫婦ってことでしょ♪あんたら」



ひょいっと二人の間に割って入ったなびき。
どうやら一部始終を見ていたらしい。



「お,お姉ちゃん!いつからそこに・・・・」
「そんなこたーどうでもいいのよ。ま、2人共早く自分達がどれだけ似てるかってことに気づくことね。んじゃっ」


そう言い残すとなびきはさっさと走っていってしまった。


「ふ、ふん!あんたに似られてもねー!!」
「こ、こっちだってお断りだってんだ!おめぇみてぇながさつな女!」
「変態!」
「寸胴!」
「ちかん!」
「不器用!」
「せっしょうなし!」
「凶暴!」
「好き魔ー!」
「可愛くねぇっ!」


1通りいい終えると2人はぜいぜい言いながらお互いをにらんだ。
が、見るなり、不思議な笑いが込上げてくる。



「・・ぷっ・・・あはははっ!確かに似てるかもね、私達♪」
「あぁそうだな!ったく・・・ほんとおめぇは素直じゃねぇもん」
「その言葉、そっくりすのまま返すわよ!」
「な、・・」
「だって似た者なんだもん、しょうがないじゃない。ね♪」



ぎしぎしぎしっ


あかねの「ね♪」の一言に乱馬は一気に体温が上がった。
それもそのはず、朝っぱらからあかねの笑顔が見れたのだから。



「し、知るかっ/////んなもんっ////」
「ったく・・・ほんと可愛気がないわね、あんた。・・・あ、もうこんな時間!置いて行くわよ!乱馬!」
「お、おい、ちょ、ちょっと待てっ・・・・・・」






いつもよりちょっとだけ早い朝。

だけど2人に流れる時間はいつもと変わらない。







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*管理人コメント*
「LOVE GAME」の管理人ネドピエロさんに相互記念として差し上げた物デスvvv
ある日ふと、私夕方とか昼間の出来事にしか書いてないんじゃないかと気づき、初めて朝の出来事を書いてみたんですが・・・・
いつもと変わらないパターンだとまたまた気づいてしまいました(涙)
(*優しく見守ってやって下さいネ、ほんとT-T)