風邪
「ふ、ふ、ふ・・・・・ふぇーっくしょん!!」
ずずず・・・。
鼻をすすってもすすっても、滝のように流れる鼻水。
おまけに顔も少し赤くし始めた乱馬の顔に、あかねが覗きこんできた。
「乱馬・・・熱っぽいよ?平気?」
今は学校の帰り道。
太陽も沈みかけていて、冬の訪れを感じさせる冷たい風が2人の体をすり抜ける。
体力が唯一自慢の男も、この風の冷たさには嫌気を感じ始めていた。
と。
突然目の前にあかねの顔が現れたため、乱馬の顔が更に赤くなる。
そんな乱馬の気持ちを知るよしもないあかねは、今度は乱馬の手を取って熱があるかどうか確認し始めてしまった。
もちろん、乱馬だってそんなあかねの心遣いに気がついていない訳ではない。
が、その前に「恥ずかしい」という気持ちが前に出てその気遣いを払ってしまうのだ。
そんな自分に気付いているのかいないのか、乱馬は振り切るようにフェンスに登った。
「あ、ちょっと〜!今熱計ってるから動かないでよ〜!!」
「う、うるせーっ!熱なんてねーよっっ!!!!!」
「ったく・・・何見栄張ってんの?子供じゃあるまいし・・・」
そういうとあかねは深くため息をついた。
この様子だと、呆れ顔も混ざっているらしい。
「だ、だからそんなんじゃねぇーって言ってんだろっっ/////」
「あー、はいはい。・・・よっと」
ちょん
あかねの指が、乱馬のふくらはぎ当たりを軽く押した。
「う、うわわわわわ」
がしっっ
両手と片足をうまく使って川に落ちる事は免れたものの、まだバランスがうまく取れていない。
それに加え、いつもなら楽に起き上がれるこの状態も、今は何故か力がほとんど入らなくなっていた。
「な、なにしやがる!!」
「ほ〜ら、あんたやっぱり具合悪いんじゃないの。
いつもならこれぐらいのことじゃ落ちそうになんかならないでしょ?」
「な、ちょ、ちょっと油断しただけでぃ!!」
「・・・ほんっと素直じゃないわねぇ。・・・ほら、つかまりなさいよ」
乱馬はあかねが出した手に最初ふいっと顔をそらしたが、あかねに「ほ〜らっ」っと念を押すように言われたので、しぶしぶその手をつかんだ。
「よっと・・・やっぱり熱いじゃない、手」
「だから違・・・・」
すぽっ
そんな音が聞こえた時、乱馬は自分の手が今どこにあるかいまいち分からないでいた。
いや、むしろ分かってても熱のあまり上手く処理できなかったのかもしれない。
今、手をつないだままあかねが着ているコートのポケットに入れられたということを。
「はい、これなら少しは温かいでしょ?」
「な゛っ/////」
「家に帰るまでこうしといてあげるわよ」
「べ、別に・・・!////」
「病人は言う事聞きなさいっ」
「〜/////」
もはや抵抗する言葉も出ない乱馬。
そんな乱馬に優しく微笑むあかね。
「さっ、早く帰ろっ♪」
・・・・現在の乱馬の体温37.4度。
その後の乱馬の体温は38.6にまで跳ね上がった。
「や〜っぱりこんなに熱あったんじゃないのよ」
「だ、誰のせいだと思ってんだよっ////」
「え?」
「な、なんでもねぇっ/////」
「ふふっ変なの♪じゃ、ゆっくり休むのよ。おやすみ♪」
パタン、と襖が閉まると同時に、乱馬は少し熱が下がったのが自分でも分かった。
それはつまり、風邪のせいじゃない・・・ということも。
--------ったく・・・風邪の時は特にあかねに近づかない方がいいかもな、色んな意味で///
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*管理人コメント*
「sea side」の管理人seaさんに相互記念としてさしあげたものですvv
普通なら男の子が女の子の手を自分のポケットにいれるんでしょうけど今回は逆にしてみましたvv
乱馬君素直なんだか違うのか・・・(笑)
それでも乱馬君の体はすぐ反応しますよね♪
顔を真っ赤にしたり体温が上がったり(笑)
可愛い奴です☆★(ぉ
でもこれがあかねちゃんにも通用することかも・・・?
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