太陽のパワー






「ちっきしょー」
俺は自室でひとり、ぶつくさ呟いた。
今日は3月14日日曜日…天道、早乙女両家の変な計らいにより、今家の中には俺とあかねのふたりっきりだ。
「(渡すなら今しかねぇっ!でもあいつらほんとに出かけやがったのか?家ん中にひそんでたりして…。)」
あ゛〜くっそー。どうするっ!?
「道場でひと汗かいてくるか…。」
ひとり考えこんでる自分がバカみたいに思えて、俺は部屋から立ち去った。
あかねへのプレゼントの包みをふところに忍ばせて。

俺はトタトタと廊下を進んだ。ふと居間の奥へ目をやる。すると…
「あれ?乱馬。どしたの?」
あかねとバッチリ目が合っちまった。
「え?あ゛〜えっと…」
「?」
あかねは不思議そうに俺の顔を見る。その顔があまりにかわいくて、まぶしくって。
「どっどどうだっていいじゃねーか、俺のことは。オメーこそ何してんだよっっ!!/////。」
「あたし?ほら、ここお日様があたっててあったかいから。」
「ふーん。」
俺は何気なくあかねが座っている縁側へ行き、あかねの隣に座る。
さっきのあかねの顔を思い出し、俺の心臓はバクバク言い出す始末。…なさけねぇっ。
「そういえば今日はシャンプーも右京も小太刀も来ないのね。14日なのに。」
「そ・そりゃあ(俺があいつらにはおとといアメを渡して今日はカンベンしてくれるように頼んだから…だなぁ)…」
「何?」
「え゛ぃゃ 何も…。」
俺は一人でもごもご言う。この分じゃとても渡せねー。
「そっちこそP助はどうしたんだよっ。」
「Pちゃん?どうして今のハナシとPちゃんがカンケーあるのよ?」
「え゛ぃゃ…。」
さすがにP助が良牙だなんて言えねーしな…

「…あ…」
俺が口を開こうとしたと時、
「あっ!!」
あかねが急にでかい声を出して邪魔された。
「どーしたっ!?」
あかねの急な反応にびっくりして、俺は立ち上がる。あかねはスリッパをひっかけて、池の周りに走って行く。
「見て!乱馬!!」
あかねの隣へ下りていくとそこには小さなたんぽぽが咲いていた。
「もうすぐ春だね。春が来るのってお日様の力なんだねっ。」
あかねは無邪気に笑ってみせる。俺たちの頭の上には太陽が輝いている。
お日様のパワー…か。
「あっあかねっ////。」
俺はふところから包みを取り出す。

俺にとっちゃ、あかねの笑顔が太陽だから――








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*管理人コメント*
コメットさんからホワイトデー記念に戴きましたv
いや〜・・相変わらずコメットさんのお描きになるあかねちゃんと乱馬君は可愛いんですけど、今回は一段と可愛くてマジでほのぼのしてしまいました////
あかねちゃんの笑顔ってすっごくまぶしいですよね^^
お日様なんかに負けないくらい♪
乱馬君もそれに気がつき、そしてお日様(あかねちゃんの笑顔)のパワーによって勇気をもらうvv
もう春らしい上にこんな可愛かったら言うことナシですよっ////
素敵な小説本当にありがとうございましたーvv