必ず



乱馬が旅立つ。1週間修行の旅。

それは珍しくもなく、いきなりでもない。

1ヶ月に1回ペースである彼の行事。

だから予定を告げられてもそんなに驚く事ではない。


「明日から行って来るから。」

「うん。いってらっしゃい。」


時によって日数は変わる。

ライバルがいて強くなりたければ長い期間

特に何もなく普通の修行なら短時間。

そんな風に彼の旅は分けられる。


今回の旅は多分短時間。

3日か4日くらいで帰ってくると思う。


解っていても慣れていてもこの時間は嫌い。

乱馬が旅立つ前日の夜は嫌い。


何か起きたらどうしよう。

あり得ないと解っているのに不安になる。


帰ってこなかったらどうしよう。

彼の言葉は信じてる。でも、怖い。


違う人の所に行ってしまったら・・・

考えれば考えるほど怖くなる。寂しくなる。



短時間でもあなたのいない家はとても寂しい。


だからいつも思うの。

「早く帰ってきて」って。

あなたを縛りたくないから口にはしないけど。

素直に言えない私だから伝えないけど。

でも、心の中ではいつも思ってるの。


早く帰ってきて



考えていると夜は明けて

あなたを送る刻がやってくる

いつものように大きな鞄をしょって

背を向けたあなたに私は告げる


「いってらっしゃい」

今は未だ それだけ・・・







-------------------------------------------------------------------------------
*管理人コメント*
「花ざかり」の管理人幻桜みちさんから、我が家の復活記念に戴きましたv
自分の素直じゃない面に気付きながらも、それを乗り越えられず苦悩するあかねちゃん。。
ほんと、私が変わって言ってあげたいぐらいですよっっ(T□T)
「あかねちゃんのために早く帰ってきなさい!!」って。
心にぐっとくるような小説、ありがとうございました^^