俺の姫君



「ねぇ乱馬。」

俺の隣で本を読んでいたあかねが急に俺に声をかけてきた。

「何だよ。」

「眠りの森の姫に出てくるお姫様ってさ、なんかすごいよねー。」


は?イキナリ何を言い出すんだよ・・・。
でも、コイツなんで今ごろ『眠りの森の姫』なんか読んでるんだ?


「何がすごいんだよ。」

俺がそう尋ねると、

「だって、魔女にのろいかけられてたのに王子様のキスで目覚めるんだよ。」

あかねが目をうっとりさせて俺にそんなことを教えてくる。

「ほー。で、コレどんな話なんだよ?」

俺はあかねの持っている本を覗き込みながらそう言った。

「これは、姫が生まれたときのパーティに呼ばれなかった1人の魔女が姫に呪いをかけちゃって、大きくなった姫がそのかけられた呪いで100年眠っちゃうの。
でも王子様が現れて、ドラゴンに変身した魔女を倒して、姫の魔法をといてあげるっていうお話なのよ。乱馬知らないの?」

「だって、俺小さい時に親父と修行にでちまったから、絵本なんて読んでもらった覚えなんかねーし。」

俺がそう言うと、

「あ、そうよね・・・。それにおじさま絵本なんて読んであげるガラじゃないしね。」

あかねが少し笑いながらそう言った。

「おふくろもな。」

俺も笑いながらそう答えた。


「で、この王子様ってのは、姫にどうやってキスしたんだよ?」

「どうって、こう寝ている姫の・・・。」

あかねが動作をしながらそう答え始めたとき、何かに気がついたようだった。



「――――っ乱馬!!!あんた何たくらんでるのよ!!」

あかねが顔を真っ赤にしながら俺に向かって叫んでくる。


何って・・・そりゃあもちろん・・・。


「いや、あかねにもその姫の気分を味わわせてやろうと思ってよ。」


俺はそう言うと隣に座っているあかねを抱き寄せて、軽く額にキスをした。


「っもう!!!そんなことだろうと思ったわよ!」


俺の腕の中でじたばたするあかね。

でもこうなったら俺は逃がさない。

俺はあかねの頬や額にキスをしまくった。



「もう!乱馬ってば・・・!!」


そう言うあかねの唇を奪うと、あかねは急におとなしくなった。



「えらいじゃん。」

「だって・・・もう諦めた。」



ちょっとスネたようにそう言うあかねがとてつもなく可愛くて、また唇を奪ってやった。





どんなに可愛いどこかの国のお姫様より、
どんなに感動する物語のお姫様より、



俺にとってはこの家にすむ“お姫様”が―――
今、俺の腕の中で顔を赤らめているこの“お姫様”が。


俺にとって、たった1人のお姫様。




天道あかねという―――俺の姫君―――――。





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*管理人コメント*
よっし〜さんから戴きましたvv
もうラブラブな乱Xあですね♪
にしても乱馬くん憎いけど憎めないーっ//////
やっぱり自信過剰っぽいとこもあるけど、それも彼の1つの特徴vvv
途中で乱馬が「おふくろもな」って言いましたが、確かにそうだなっと妙に納得してしまいました(笑)
玄馬はともかくのどかさんまで・・・・うん、分かる気がするvv
でも最後の乱馬のコメントほんとかっこよかったです////
「俺の姫君」・・・・・なんて言っちゃってもうっ///(もはやおばさん)
こんなにメロメロにしてくれる小説をくださって本当にありがとうございました☆