mermaid princess@






「こらアカネ!まだ16歳にならんのだから海の上には出てはだめだぞ!」
「お父様、ならないって言ったってあと3日もすれば16よ?少しぐらい・・・・・」
「アカネ!」
「はぁ〜い・・・・・・」

(んもうっ、少しぐらいいいじゃない。お父様のケチっ)





これは日本から遥か南にある、海の中の物語。
その海には「人魚」というものが住んでおり、地元の民でもその姿を見るものはほとんどいなかったという。
それもそのはず、この人魚達は深い海の底で暮らしていて、海面にはめったに顔を出す必要がないからだ。
だが、一部の人魚達はその許可を得ていた。
それが人魚の国の王族達。
国の平和を守るため、定期的に人間界の様子を見に行く必要があるためなのだが、条件として満16歳を過ぎなければならなかった。
少女アカネも王族の1人で、3人姉妹の末っ子なのだが「姫」の位置に当たる。
あと3日で16歳になるが、少し好奇心が旺盛で、やんちゃなところがたまに傷となっている。






「ねぇPちゃん、人間の世界ってどうなってるんだろう?・・・私ね、お父様の話をこの前こっそり聞いちゃったんだけど、それはもうすごく美しい世界なんだって♪」
「P?」


あかねの言うPちゃんとは人間界でいう「黒い小ブタ」にそっくりの魚で大変めずらしいものだ。
おまけに魚なのに「Pっ」と泣くため、その区別は難しい。


「でね、その世界には「ソラ」や「カゼ」というものがあって、特に「ソラ」は海を青くする重要なお仕事をしてるんだってよ♪すごいよねー///////」
「P〜♪」
「そっか、Pちゃんは魚だから「ソラ」を見たことあるんだよねv・・・・はぁ〜・・・早く見たいな〜////」



ぽーっとなりながら海面の方を向くアカネ。
そこにはユラユラと揺れる水面とすぅっと入る太陽からの光が見えた。
と、突然周りが少し暗くなったかと思うと、アカネとPちゃんの前に突然別の人魚が現れた。



「・・・キャっ・・・・」


ボンっっっっっ


そんな音と共に現れたのは、サングラスをかけ、ウクレレを持つ人魚。
「コーチョー」だ。



「ハロー!ミス.アカネ!あなたのその願い、私が叶えて差し上げましょー!!!」
「あ、あなた・・・誰?!」
「Oh!ソーリー!自己紹介が遅れましたね!私の名前はコーチョー。人知れず人魚の願いを叶える魔術師!・・・・そしてミス.アカネ、今回はあなたの願いを叶えに来ましたー!」
「わ、私の・・・・・願い?」
「That's light!あなたさっき言いましたー。「早く見たい」と。それ、私叶えまーす!」
「ほ、ほんと?」
「私嘘つきませーん。・・・ただ1つ条件ありまーすが・・・・・・・」
「え?なになに?」
「海面に行く、そうするとあなた人魚の足なくなってしまう。人間の足になりまーす!」
「そ、それだけ?」
「そうでーす!さぁミス.アカネ、どうしまーすかー?」


(じゃあほんとに・・・・人間の世界に・・・・・いける?!)


あかねは数分考えてから、こう答えを出した。


「分かりました。コーチョーさん、私を人間界に連れていって下さい」
「Ohー!!ミス.アカネ!私はアナタの事を信じていましたよー!!!!!!ではさっそく行きますねー!!!!」



コーチョーがそう言うと、Pちゃんが必死に止める中、あかねは瞬くまに姿が変わり、その足が見事に綺麗な人間の足へと変わっていった。


「成功ーデース!ミス.アカネ、注意事項は足のところに貼っておきましたー!」
「・・・・がぼっ(わかっ・・・)?!・・・・・」
「あ、それと人間になったからには早く海面にいかない息が出来なくて死んでしまいまーすので・・・・・・」
「がぼがぼがぼっ(それを早く言ってよっ・・・・・・・)・・・・が、がぼがっ(く、苦しいっ)」


あかねは慣れない人間の足をなんとかばたつかせながら、海面へと向かった。


「行ってらっしゃーい・・・・ミス.アカネ・・・・もう戻ってはこない少女・・・・・」



そんな意味深な声も聞こえるはずなく、あかねは必死に水面へあがろうとしていた。






ざばっっ


ようやく海面へと辿りついたものの、まだ慣れない足ではうまく泳げるはずがなく、何度も何度も水を飲んでしまっていた。


「がぼっ・・・・・・だ、誰か助け・・・っ・・・ガボっ・・・・・・て!」



バシャバシャと動いても体は沈むだけで、初めて海の恐怖を思い知らされていた時、遠くの方からバシャンと水に入る音が聞こえてきた。


(もうっ・・・ダメっ・・・・・・)



力なく水に体を任せた時、ざばっと自分の体を持ちあげる感じがあかねに残った。


「大丈夫か?」



(お・・・女の子?)

ほとんど意識をなくしている中、あかねはうっすらとおさげ髪の女の子が見えた。
しかし安心したのか、そのままあかねは気絶してしまった。


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*管理人コメント*
・・・・突拍子もなく始めてしまった「連載シリーズ」;;
そういえば1つまったく手をつけてなかった連載物があったっけ;;
・・・って話がずれてしまいましたが、ちょっとご説明を^^
話の流れは大体皆さんが良く知っている「人魚姫」と同じですv
ただ「らんま1/2」ならこうなるかな・・・・という管理人の想像で進めるので、そこらへんはご理解頂けると嬉しいです☆
・・・ほんとどれくらい続くんだろ・・・;;;